今回は、ご自宅で気軽にお味噌が作れるように、そろえやすい材料での作り方をご紹介します。
お味噌を作ってみたいけど、大豆を煮たり、生麹を購入したりとハードルが高そう…という声をよく聞きます。
そういう方も楽しんで作っていただけるように、私のお味噌作り教室では、材料と道具は全部準備しています。
大豆は私の方で下準備し、参加者の方は大豆を潰して混ぜて詰めるという作業でできるようにしています。
でも、ご自宅でも好きなタイミングでお味噌作りをしてみたいという方に、どうやったら手軽にできるか?を考え続け、そこでやっとよさそうなものを見つけたので、ご紹介します。
ネットやスーパーで購入できるものが多いのでぜひご参考にしてください。
水煮大豆と乾燥麹でお味噌作り
材料
出来上り約1.7kg
- 大豆(水煮) 内容量1㎏(固形分750g)
- 米麹(乾燥) 500g
- 塩 190g
- だし昆布 約5cm(あれば)
それぞれの材料について説明です。不要であれば飛ばしてくださいね。
大豆
まずは、一番ハードルが高いと聞く大豆。
乾燥大豆を煮る作業が大変そうというイメージがありますよね。
実際、乾燥大豆で作る場合は、前日から浸水し、その後2~3時間ことことと煮ます。(私は圧力鍋使用)
そこで手軽にと思い、水煮大豆を探しましたが、酸化防止剤や塩などが入っているものが多くて。
私の味噌作りでは、大豆の煮汁も入れるので、できたら水分も欲しいのですが、計算が難しいので材料以外の塩は極力避けたいし、添加物もできたら入れたくありません。
やっと見つけたのがこちらの水煮。
選んだ理由としては、
・国産
・そこそこの量が入っている(汁を含んで1㎏)
・柔らかい
・塩や他の物がほぼ入っていない(表記上)
この商品には、「塩」の表記がありますが、0.0g/100gなので、保存用に入れているのか微々たるものかなと思ったからです。
味見してみましたが、味もおいしい。
内容量も問い合わせしたところ、1㎏の商品のうち、固形分は750gとのことでした。汁部分は約250gという計算になります。
柔らかく煮てあるので、手でも潰せるくらいです。
探すのが手間な方はこちらをお試しください。
さらには有機大豆も販売されています。
米麹
私は自宅用や教室では生麹を使います。
自分で麹を作ることもありますが、手作りでしか味わえないできたてほやほやの麹は、やわらかくてほのかな甘味があっておいしいです。
お味噌も生麹だとよりおいしいと言われていて、ネットでも購入できますが、日持ちはしにくいです。
そのため、今回はスーパーにも売っていて手に入りやすい乾燥麹を使用します。水分を飛ばし乾燥した麹のため、比較的日持ちします。
ネットでも色んな種類のものが購入できます。
(↑有名な麹屋さん。この場合、3袋必要ですね。常温保存可能だそうです。)
お好みのもの、買いやすいものをご利用ください。
スーパーでも、冷蔵コーナー(豆腐などの近く?)や、常温棚でも見かけるようになりました。
今回私は、地元の乾燥麹を使用しています。
塩
塩はとくにこだわりがなければスーパーで売っているあら塩で良いと思います。
この大豆の水煮の販売ページにレシピも記載されています。
そのレシピには塩200gとレシピにありますが、私はいつも作っているお味噌の塩分率に合わせたかったので190gにしました。
ただ、塩は、カビや雑菌からお味噌を守ってくれたり、味にも関係してくるため、極端には減らさない方がよいと思います。
だし昆布
これは好みですが、私は毎回入れています。
5cm角くらいの普通のだし昆布です。
道具
- 大きいボウル2個(混ぜる用と大豆潰す用)
- マッシャー (大豆を潰す用。袋に入れて手で潰してもよい)
- 仕込み容器又は袋 (ホーロー容器や、ラミジップ袋など)
- へら、スケパー(あれば)
- ビニール手袋 (必要ならば)
これらがあると便利です。
道具の詳細はこちらの記事にもあります。
仕込み容器は出来上りが約1.7㎏なので、それが入るものにしてください。
私はラミジップ袋のLZ-18を使用しました。
作り方
通常のお味噌の作り方と同じです。
1.大豆を潰す
2.米麹と塩を混ぜる
3.材料を全て合わせ混ぜる(60回くらい)
4.団子状に丸める
5.袋(容器)に詰める
6.昆布を差し込む
7.空気を抜いて袋のチャックを閉める
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0.事前準備
ラミジップ袋使用の場合は、詰める時にチャック部分が汚れないように、入口を外側に折り込んでおくと詰めやすいです。
手が汚れる前に準備しておくと便利です。
1.大豆を潰す
ボウルに大豆の水煮を入れ、ポテトマッシャーなどで潰します。
袋の中の汁は捨てずに、できるだけ取り出してください。
潰す道具がない場合は、袋を開けるのを待ってください!
開ける前に、袋ごと手や伸ばし棒のようなもので潰したり、もしくは足で踏んで潰すと潰れます。(少し時間がかかります)
マッシャーがあれば、ぐいぐい潰れます。
冷たいと大豆が固くなるので、もし潰しにくい場合は、耐熱容器に入れてラップをし、レンジで少し温めたら柔らかくなるかもしれません。(試してはいません)
温めると汁がたくさん出ると思うので捨てずに乾燥麹と塩の方に汁だけ入れて混ぜておくとよいです。
大豆の形が見えないくらい潰れたらOKです。
2.米麹と塩を混ぜる
材料を全て混ぜる用の大きなボウルに米麹と塩を入れ、混ぜます。
塩が固まりになっている時はほぐしながら、だいたい混ざれば良いです。
3.材料を全て混ぜる
米麹と塩が入ったボウルに、潰した大豆を入れます。
均一になるように混ぜます。
頑張って60回くらい混ぜましょう。
おいしくなーれと、呪文を唱えながら楽しく。
この時、素手でも良いですが、気になる方は手袋をして混ぜてください。
もし、手に傷がある方は、塩でしみるうえ、殺菌も入りやすくなるので、手袋をつけた方がよいと思います。
私は、後片付けの楽さからもビニール手袋をします。
4.団子状に丸める
混ざったら、空気を抜く目的で団子状に丸めていきます。容器や袋のサイズにもよりますが、今回は直径5センチくらいの団子にしています。
大量に大カメに詰める時はげんこつ大くらいの団子で良いと思います。
今回は小さいので小ぶり団子です。
混ぜたボウルに置くスペースがなければ、大豆を潰したボウルに団子を入れていきましょう。
新たな洗い物も出さずに済みます。
5.袋(容器)に詰める
今回は私の使用したラミジップ袋への詰め方です。
袋に先ほどの団子を入れ、都度隙間がないようにぎゅうぎゅうと詰めていきます。
その時、袋を抑える手と詰め込む手を決めておくと便利です。
そして、袋を抑える手はきれいにしておくか、手袋を外しておきます。
そうすると、袋のチャック部分や、外側がお味噌で汚れることを防げます。
6.昆布を差し込む(お好みで)
だし昆布の表面をキッチンペーパーなどで軽くふき取ります。
そして、詰めたお味噌の中に差し込みます。
表面を平らにします。
7.空気を抜いて袋のチャックを閉める
ラミジップ袋の場合は、袋の入口付近についたお味噌をキッチンペーパーなどできれいに拭き取っておきましょう。
とくに、チャック部分についてしまうと、閉まりにくくなるので、取り除いておいてください。
カビ防止にもなります。
きれいにしたら、袋をひっくり返し、空気をしっかり抜きながらチャックを閉めます。
容器の場合は、塩を振ったり重しをしたりします。(ここでは省略しますのでお調べください)
カビは空気を好むので、しっかり閉めるということ、そして、後日ガスが出て袋に空気がたまってきていたら、同様に空気抜きをしてあげてください。
仕込みは完了です。
閉め方はこちらにも少し書いています。
仕込む時期や仕込んだ後はどうする?
仕込み時期
11月~2月頃の寒い時期が仕込み時期に適していると言われています。
私も10月~4月くらいまで仕込みますが、ゆっくりじっくりおいしくなるのがよいと思い、2月くらいまでが仕込みのピークです。
温かい時期に仕込むと熟成が早く進みます。
保管場所
電気や太陽の光が当たらないようにして、涼しいところか常温で保管してください。
私は段ボールや紙袋に入れて、廊下や涼しい部屋などに置いています。
熟成期間
6か月~10か月くらい熟成させ、夏を過ぎるとおいしくなると言われています。
冬に仕込み、9月すぎた頃、色が濃くなっておいしそうな色をしていたら、ちょっと味見をしてみてください。
塩辛くなく、おいしければ出来上りです。
ちょうどよいおいしさになったら、冷蔵庫または冷凍庫にて保管してください。
カビ
詳細は別の記事に書こうと思いますが、もし、カビができたら、その周りを深く大きく取り除いてください。
立体的な緑とか黄色いものはカビである可能性が高いです。
袋の表面にできる白い結晶のようなものはチロシン(アミノ酸の結晶)なので、取り除かなくてよいです。
仕込んだお味噌、たまに気にかけて、可愛がってあげていると、
おいしいお味噌になる気がします。
カビにも早く気づいてあげられますよ。
こちらにも書いています。
ぜひお試しください。
お味噌についてはこちらにも書いています。
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